私限定の甘さ

「私、男子の名前おぼえてないんだもん」


「でも、さすがに高橋くんのことは知らないとまずいでしょ…」


え、なになに。

高橋くんって人、そんなに有名なの?


「そ、そんなにまずいの?」


少し焦りながら聞いてみた。


「うん。フルネームは高橋響也くんって言うんだけど。高橋くんってすっごいイケメン、おまけにクールで女子に人気なんだよ。
うちの学校の男子で、光、高木の次に人気みたい。まぁ、私は興味ないけど」


へぇ…。

そんなに有名だったんだ…。

てか、光くんは知ってたけど、俊ってそんなに女子に人気なんだ…。

…知らなかった。

少し暗くなる気持ちを隠して、怜に聞いてみた。


「で、その人気の高橋くんってどこにいるの?」


「教卓の前にいるよ」
< 248 / 413 >

この作品をシェア

pagetop