私限定の甘さ
「ち、違う、今のなし!!
よし、帰るよ!」
誤魔化すようにそう言い、無理やり俊の腕を引っ張り、学校を出た。
「愛ちゃん、誤魔化したつもり?」
そう言われピタリと立ち止まった。
「う、うるさい」
顔を真っ赤にしながら俊を睨む。
今、忘れようとしてたのに!
「ふっ。
愛ちゃん、すごい可愛い」
さらっとそんな恥ずかしいことを言う。
「な、なに、言って!?」
「噛みまくりじゃん」
クスクスと笑う俊。
なにさ、そりゃいきなり変なこと言われちゃ、しょうがないじゃん!
「ごめん。
愛ちゃんが可愛くて少しからかった」
少し照れたような顔をして私の頭を撫でる。