私限定の甘さ

「い、言わなくちゃだめ?」


俊は顔を真っ赤にしながら聞く。

そ、そんな真っ赤になるほど恥ずかしい衣装なの!?

なんだか、余計に知りたくなってきた。


「できれば聞きたいな。
文化祭、俊のクラス行きたいし」


おそるおそる上目遣いで俊を見上げる。

ジーッと見つめあっていると、俊は「はぁ」とため息をついて話し出した。


「…王子」


「え?」


「だから…王子の衣装着るって」


「お、王子?」


「そう、光は『白王子』をイメージした衣装、俺は『黒王子』をイメージした衣装…らしいよ…」


不機嫌そうな顔でそう言う。

黒王子…。


「絶対似合うよ!!」
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