私限定の甘さ


「え?」


「俊なら絶対に似合う!!
顔立ちも整ってるし、見た目はクールって感じだし!」


『見た目は』ってのは、ちょっと余計だったかな…?

だって、みんなのイメージではクールみたいだけど。

私の前では、全然クールなんかじゃないもん。



「そ、そう?
愛ちゃんがそう言うなら俺、本番も頑張るよ!」


私が若干失礼なことを考えているとは知らない俊はニコッと嬉しそうな笑みを浮かべた。


その笑みに答えるように私も微笑んだ。


「うん!私もね、実はメイド服着るの嫌だったんだけど…俊と話していると勇気でた!
私も本番頑張るよ!」


「…え?」


急に立ち止まる俊。

そんな俊に気づいて私も慌てて立ち止まる。

急に立ち止まってどうしたんだろ?

…私、変なこと言った?
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