私限定の甘さ
「メイド服なんか着たら可愛すぎてさらわれそう」
「は!?」
いやいや、いくらなんでもそれは…。
過保護にも程がある!
「冗談だと思ってるでしょ?
違うよ。本気で言ってるの。
愛ちゃんは、可愛い。
俺、本気で心配なんだからね」
あまりにも真剣な顔で言うから少しドキッとした。
不覚にも、ときめいてしまった…。
そのとき、ちょうど家に到着した。
けど、私は家に入らず、少しすねたような口調で言った。
「…俊に可愛いって言われたかったからメイド服着ようとしたのに…」
思わず口がすべってしまった。
何言ってるんだろう、私は。
よくもこんな恥ずかしいことを…。
私がそんなことを思っていると、いきなりグイッ腕を引っ張られ、すっぽりと俊の腕の中に閉じ込められた。