私限定の甘さ


「ふふふ」


「…なに笑ってんの?」


少し不気味なんだけど…。


「いや、なんか幸せすぎて」


「な、なに言ってんの?」


…びっくりした。

だって、俊は本当に幸せそうな顔だったから。

なんだか、よくわからないけど、

私まで幸せな気分。

幸せって人から移るものなのかな?


「じゃあ、もう着いたし…ばいばい」


「うん、ばいばい、
また明日」


──バタンッ。

玄関の扉が閉まる音が聞こえる。

お母さんに「ただいま」と言って2階の自分の部屋に入る。

ベットに座ると力が抜けた。
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