私限定の甘さ
「あ、呼ばれたから行くね」
「うん、いってらっしゃい」
料理係の子たちはすでに集まっていた。
意外と人数が少ない。
今どきの子は料理が苦手なのかな?
と、そんなおばさんくさいことを思いながらあたりを見回す。
…あれ?
あの人って確か…高橋くん…だよね。
料理できるんだ…意外だな。
他には男子がいないから余計に目立つ。
周りの女子はチラチラと高橋くんを見ているし。
「まず、2人組をつくってメニューを相談しよう。それからそのメニューがいいかどうかみんなで決めよう」
と、リーダー格の女子が言うと、
私以外の女子の視線がいっせいに高橋くんへといった。