私限定の甘さ

「高橋くん、私と組まない？」


「いやいや、私と」


女子たちは、高橋くんの周りを囲み、我先にと誘う。

うわ…すごいな。

やっぱり女子に人気なんだ…。

って、感心してる場合じゃなくて！

私は、誰とペアを組もう…。

女子はみんな高橋くんのところへ言っているから誘いにくいし…。

どうしようかな…。

私が困っていると、横から声が聞こえた。


「西野、組む相手いないなら俺と組んでほしいんだけど」


「…え？」


私は、驚いて一瞬固まった。

だって、私に声をかけてくれたのは、

さっきまで女子たちに囲まれていた高橋くんだったから。