私限定の甘さ
「うわ…真っ暗…」
思わずひとり言を言ってしまうほど、暗くなっていた。
少し怖いかも。
今日はいつも一緒に帰る俊もいないし。
一人で帰るのはすこし心細いなと思っていると
「もう遅いから送るわ」
と響也くんが言う。
「そんな、悪いよ!!」
慌ててそう言うが、響也くんは、
「女子を一人で帰らせるかよ
いいから、だまって送らせろ」
「…じゃあ、お言葉に甘えて…
ありがとう」
「ん」
やっぱり響也くんは優しい。