私限定の甘さ
その日から響也くんは、放課後、毎日
家まで送ってくれた。
「いつもいつも送ってもらってばかりで悪いよ!」
と言うと、
「俺が送りたいから」
って言って聞いてくれない。
最初の頃は、申し訳ないと思いながら一緒に帰っていた。
でも、慣れてくると普通に会話もできるようになってきた。
この2週間でだいぶ仲良くなれた気がする。
…少し嬉しいかも。
だって、私、男友達なんていなかったから。
だから、この前、響也くんに、
「響也くんと友達になれてよかった!
私と友達になってくれてありがとう!」
と、笑顔で言った。