私限定の甘さ
「あんた彼氏なんでしょ!?
彼女を信じなさいよ!!愛は信じてる。
あんたとまたデートして、手を繋いで。
元の関係に戻れるって!」
「っ…」
苦しげに顔を歪ませ、顔をそらす。
そんな高木に私は心を落ち着かせ、話しかける。
「ねぇ、明日、愛の誕生日なの」
「…知ってる」
「明日、私と愛は出かける。
でも、夜なら愛は家にいるよ。
だからさ、行ってあげてよ。」
「…考えとく」
ボソリとそうつぶやき、高木は教室を出ていった。
…よけいなことしちゃったかな。
ごめん、愛。
周りの視線が気になり、教室を出ようとした。
その時、私の手を握り、教室を出る光。
「キャー!」
女子たちの悲鳴が聞こえる。
その後、チクチクと鋭い視線が背中に刺さる。