私限定の甘さ

怜の優しい笑顔にズキッと胸が痛んだ。


怜のことだから、きっと心配してくれていた。

怜は私のことを思って、今日、誘ってくれたんだろう。

それなのに、私は…。

私は、ずっと俊のことを考えていた。


喧嘩しなかったら今一緒にいるのは俊だったかもしれない。


俊は私の誕生日、知ってるのかな?


ずっとそんなことしか考えていない。

それがすごく申し訳なくて。

でも、そんなに心配してくれていることが嬉しくて。


また、涙が溢れ出す。
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