私限定の甘さ

「どうしたの?
愛ちゃん?」



「う、そつき…」


泣きじゃくりながらもそう言った愛ちゃん。


「ずっと一緒にいてくれるって言ったのに
なんで、離れちゃうの?」


苦しそうな愛ちゃんから目をそらせない。


「なんであの時、信じてくれなかったの?
私、俊のことしか好きになれないよ?
それくらい俊が大好き、なのに…」



ズキッと胸が苦しくなる。


‘‘あの時’’とはきっと文化祭でのこと。


違う、違うんだ。


そう言いたいのに声が出ない。
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