私限定の甘さ
ようやく離れた俊の唇。
私は自分の唇を抑えた。
…わ、私…、なんであんな大胆なことをっ?
思い出しただけで顔が熱くなる。
し、しかも、下にはお母さんとお父さんがいるのに。
そんな状況であんなことを……。
私が1人でジタバタとしていると、俊は腕時計を
見て、名残惜しそうな顔で口を開いた。
「もうそろそろ帰るよ」
「あ、そうだね、もう遅いもんね」
2人で階段を降りる。
「駅まで送っていくよ」