私限定の甘さ
「もういいから!行くよ、俊
行ってきます!!」
私は無理やり俊の腕を引っ張って家を出た。
私は俊をキッと睨む。
でも、きっと私の顔は赤いから迫力はないだろう。
「俊っ!!
お母さんの前なのにあんな恥ずかしいこと言わないでよっ!」
だいたい『お姫様』って…。
冗談でもキツイよ。
私のどこがお姫様なの。
「ああ、『お姫様』って言ったこと?
俺、思ったことを素直に言っただけだよ?」
ニコッと笑う俊。
よくそんなことスラッと言えるね…。