先生のお気に入り。

きっとここにいる誰もが思っていると思う。





「…い、イケメンだ…。」





さっちゃんがみんなの思いを代弁したかのようにその声がやけに響いた。





短いってわけでもない前髪を横に流していて、綺麗な筋の通った鼻に、リップでも塗ったのってくらい綺麗なピンクの唇に、スラッとした身長。





そして極め付けは、切れ長の鋭い瞳ーーー。





「…っ、」





そんなもはや先生とは思えないような雰囲気を纏う人と、一瞬、目があった気がする…。





野獣に捕らわれた獲物みたいに足が霞む。それと同時にいままで経験したことのないような心臓のドキドキ。





「おはよう。お前ら席つけよ。」





低くてでもどこか甘美のある声でその人は言った。





これがわたしと鈴木先生の出会いでした。