あなただけだった

卒業も近い二月下旬の事。

私と直也は教室の窓際の席で話しをしていた。



『ユカコは女子高だろ?』

『うん。直也は?』

『俺は中央高校。頭わりぃから(笑)中央高校でも受かってよかったよ〜。』

『そうだね〜。』

なんて笑いながら会話をしている時、教室のドアから直也を呼ぶ声が聞こえた。

『直也〜!』


隣のクラスの桐島野亜(キリシマノア)。彼女は目鼻立ちがよくスラッとして肌も白く学年一の美人だ。

私は表向きは野亜とも仲良くしていたが、内心はあのちょっときつい目元が苦手だった。


『直也!帰ろうよ!』

『おぅ。じゃあな、ユカコ。また明日な。』

『ユカコ、じゃあね。』

『バイバイ。二人ともまた明日ね。』


私はそう言って二人に手を振った。

今、直也は野亜と付き合っている。
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