あなただけだった
第四章
高校を卒業して3日。


中学校の同窓会をする事になった。


あれから、私は直也のベルを週に1度くらい打っていた。
直也からもそれなりにメッセージが届いていた。


今日、直也に会える。



あの日、野亜と一緒にいる直也を見かけて以来だ。



高校3年間、部活だけだった私はオシャレに鈍感になっていた。

だが、自分にできる精一杯のオシャレをして同窓会へ出かけた。



『久しぶり〜元気だった?』

『元気だったよ!卒業して以来だね〜』


少し遅れて着いた私にみんなが声をかけてくれる。


何だか懐かしい。ここは温もりがある。



『久しぶりだな。ユカコ。』


最後に直也が声をかけてきた。


一瞬、私の心臓は止まりそうになった。



『直也、久しぶりだね。』


私は平然を装ったが、あきらかに緊張していた。そして直也に会えた事が素直に嬉しかった。


私は高鳴る心臓を押さえ、直也の隣に座った。
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