あなただけだった
『ユカコ、何歌う?』


『う〜ん…私はいいや。直也、何か歌ってよ!』


久しぶりに直也に会えて、ただでさえ緊張しているのに、この上歌など歌えるはずがない。



私が入れた曲が流れだし、直也がそれを歌いだす。



―直也、ずいぶん大人っぽくなったな―



18歳になった直也は学生の頃とは変わって私服だったせいか随分大人びていた。

そんな直也に私の心臓はいちいちドキドキする。


『イェーイ、直也。本日、初歌いだな。』

『直也、歌うまいね〜。』


みんなの拍手で直也が歌い終わった事に気づいた。


『ユカコ、この曲終わったよ。』


『あっ、うん!ありがと。私、この曲好きなんだよね。次はね〜…次はこれ!』


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