あなただけだった

夜、部屋にいると電話がなった。


『ﾕｶｺ〜。立川君って男の子から電話よ〜！』


直也から電話！？

こんな事初めてだ。


ﾕｶｺは慌てて電話にでる。


『もしもし、直也！？』

『おぅ。ﾕｶｺか？』


いつもの直也だ。


『どうしたの！？』

『なぁ。俺さぁ、なんか家に居たくなくて…どうしたらいい？』

『はっ！？家に居たくないってどういう意味？家族と喧嘩でもしたの？』

『いや、してないよ。』

『じゃあ、どういう意味？って言うかそんな事私じゃなくて、麻由美に相談しなよ。麻由美は直也の彼女なんだから。今日も麻由美が直也の様子がいつもと違うって悩んでたよ。何かあったの？』

『いや、別に何もないよ。』

『何もないなら麻由美に電話してあげなよ。麻由美、喜ぶよ。』

『う〜ん…。まぁいいや。俺今から颯太の家にでも行ってくるわ。じゃあ、また明日学校でな。』

『あっ、うん。じゃあまた明日ね。』


ﾕｶｺは直也との電話を切り、部屋へ戻る。なんだか変な直也。でも…

―直也との電話、楽しかったな―




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