Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
「…ねぇ、冬美。そろそろデザートとか食べない?」
2杯目を飲み干して、薫が言う。
「うん、そうだね…。…けっこうお酒もまわってきたし」
と、酔ってちょっと赤くなった薫の顔を見やる。
「じゃあ、秋冬さんに、お薦めのデザート聞いてくれる?」
「えっ…」
言葉に詰まって、彼女ってばこれをさせるために、わざと話を振ったんだと思う。
「ほら、秋冬さん、ちょっと向こうに行ってるし、おっきな声じゃないと聞こえないよ」
そう促されて、
「……薫ちゃんが、呼んでよ…。薫ちゃんの方が、声大きいんだし…」
と、下を向く。
「ダーメ、冬美が呼びなって。呼ばないと、先に進めないでしょ? 」
おつまみを口に運んで、
「少しは積極的になって、恋をしてみようとしないと、いつまでもそのまんまなんだからね…」
薫がじっと見つめてもくるのに、
「…秋冬さん…」
意を決して、呼んでみる。
「もっと大きい声出さないと、気づかないってば…ほら、冬美!」
「……秋冬さん!」
思い切って呼ぶと、彼が気づいてそばに来てくれた。