Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
「お呼び立てさせてしまいまして。私が、もっと早くに気づけば良かったですね」
「いえ、そんなことは…」
まつ毛の長い瞳で見つめられて、恥ずかしくもなる。
「…あの、デザートは何がお薦めですか?」
薫に目で催促をされて、尋ねる。
「デザートですか? それでは、お酒を飲まれた後ですし、口直しにジェラートなどはいかがですか?」
「じゃあ、それで…」
「かしこまりました。ジェラートは3点盛りになっていますので、どうぞご賞味ください」
そう言い置いて、彼はオーダーを通すために下がって行った。
グラスに残っていたカクテルを飲んで、
「…薫ちゃん、ムリにくっつけようとしてるでしょ…」
横目に見ると、
「……何言ってんの! よくできたじゃない。上出来だって、冬美」
薫がそう言ったところへ、ジェラートのプレートが運ばれてきて、
「…今、お名前で呼ばれてましたか?」
と、秋冬さんに訊かれた。
「ああ、彼女の名前が冬美って言うんですよ。そう言えば、秋冬さんも冬の字が入っていて、冬美といっしょですね」
薫が口を出して、
「……ふゆみさん? と言われるのですか?」
と、首を傾げられた。
「ああ…はい。冬に美しいで、冬美です…」
「本当ですね。私と同じ冬が入っていて……なんだか、嬉しいですね」
と、秋冬さんは、口元に薄く微笑を浮かべた。