Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

ーー清算を終えて帰る時に、

「こちらの名刺をお持ちになってください」

と、秋冬さんから一人ずつに名刺を手渡された。

「よろしければ、またお越しの際には、私をご指名くだされば、ご担当をさせていただきますので」

「指名制度があるんだ……なんだか、ホストクラブみたいだよね?」

と、薫が囁いてくる。

「お店に来られる前に、名刺の連絡先にお電話をいただけたら、私のお休みの有無などをお知らせしますので」

彼の言葉に、名刺を裏返してみると、そこには手書きの携帯番号が記されていた。

「…携帯番号、教えてくれるんだ」

薫がちょっとびっくりしたように私を見る。

「うん…」

頷づいて、名刺をじっと見ていると、

「またのお越しを、心よりお待ちしておりますので」

と、片手を胸にあてて、来店時と同じように静かに頭を下げた……。



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