Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

お店から出て、

「すごいイイお店だったね!」

と、薫が言う。

「うん、意外と…」

「意外と…? 冬美、けっこう秋冬さんのこと、気に入ってたでしょ?」

顔を覗き込まれて、

「うん、でも…秋冬さんは、ただのバーテンダーさんだから。気に入ったりしても、なんともならないし」

口にすると、

「……なんとか、なるかもしれないじゃない。こうやって、携帯の番号も教えてもらってるんだし、プライベートでのお誘いも可能かもよ?」

薫に、バシッと背中を叩かれた。

「薫ちゃん、だから力強いってば」

言いながら、名刺をもう一度見つめる。

(……プライベートでのお誘いか……でも、この携帯だって、お店用の番号かもしれないもの)

そう思って、カバンの中に名刺をそっとしまった。


< 14 / 93 >

この作品をシェア

pagetop