Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
お店から出て、
「すごいイイお店だったね!」
と、薫が言う。
「うん、意外と…」
「意外と…? 冬美、けっこう秋冬さんのこと、気に入ってたでしょ?」
顔を覗き込まれて、
「うん、でも…秋冬さんは、ただのバーテンダーさんだから。気に入ったりしても、なんともならないし」
口にすると、
「……なんとか、なるかもしれないじゃない。こうやって、携帯の番号も教えてもらってるんだし、プライベートでのお誘いも可能かもよ?」
薫に、バシッと背中を叩かれた。
「薫ちゃん、だから力強いってば」
言いながら、名刺をもう一度見つめる。
(……プライベートでのお誘いか……でも、この携帯だって、お店用の番号かもしれないもの)
そう思って、カバンの中に名刺をそっとしまった。