Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
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ーーあのお店を初めて訪れてから、一ヶ月が過ぎた。
また行ってみたいな…とは思っていたけれど、そんなにリーズナブルなわけでもないあの場所には、
薫が言っていたように、そう簡単には足を運ぶことができなかった。
ーーそんな折り、
「…この封書を、至急届けてもらえるか?」
と、課長に言われた。
「B.C. square TOKYOってビルに入っている、"B.C. Building Inc."という不動産会社だ。宛名は表書きにある通りだ、頼んだぞ」
課長の言葉に、あのビルだ……と、思う。
封筒を受け取って、席に一旦戻ると、
「冬美、良かったじゃん。また、あそこに行ける口実ができて」
薫に、肘で小突かれた。
「もしかしたら、また秋冬さんにも、会えたりするかもよ?」
そう囁くのに、(会えたらいいんだけど…)と、ぼんやり思った……。