Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

ベンチに座っていると、高いビルに風が吹きだまって、少し寒くもなってくる。

「……すいません。こんなところでは、寒いですよね?」

秋冬さんが気づかって、

「……よかったら、僕のコートを」

と、着せかけてくれようとする。

「あ…いえ、私もコートを着てるし、大丈夫ですから。……脱いだら、秋冬さんが寒くなりますし…」

「……僕を、気にしてくれてありがとう」

言って、

「そうだ…お時間があるようなら、これからいっしょにコーヒーでも飲みませんか?」

そう誘われるのに、

「え…でも……」

と、返事に困る。

「そんなに堅苦しく考えないで。僕も寒くなってきたから、冷えた体をあっためられたらとも思っただけなので」

穏やかにも話されて、「はい…」と、頷く。

「…じゃあ、行きましょうか? ここの2Fのカフェは、休日でもやっているはずなので」

と、正面のビルの中に入って行くのを、後ろから付いて行ったーー。


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