Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
シアトルから初上陸をしたという触れ込みのそのカフェは、平日は混んでいるのだろうけど、休日の今日はさすがに人も少なかった。
私はラテを、彼はブレンドコーヒーを頼んで、席に着いた。
窓辺のカウンター席に並んで座って、
「……冬美さんに、たまたま会えるなんて、思いませんでした」
と、秋冬さんが話す。
「ああ、私も…。だけど、お店に来るお客さんはいっぱいいるはずなのに、顔とか覚えているんですね?」
こないだ会った、彼と同じ顔の人はあからさまに「誰だ?」と、聞いてきたのに……と、ふと思い出して訊ねた。
「ああ、それは…あなた方が、僕の初めてのお客様だったので。印象も強くて」
「初めての…?」
「ええ、僕はあの日が初出勤で、お客様をもてなしたのも、あれが最初だったから」
言うのに、
「そうだったんですか」
と、頷く。
「…何か、気分を害されることなどはなかったですか? 初めてでまだ不慣れだったかもしれないので」
「いいえ、そんなことは……」
と、首を振る。