Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
「教えてくださって、ありがとう。それでは、またご連絡をさせていただきますね」
コーヒーカップを持ち上げて、
「あなたと会えたおかげで、今日は、おいしいコーヒーが飲めました」
秋冬さんが一口を含む。
「いえ、私の方こそ、会えてよかったです」
あったかいラテに息を吹きかけて、両手でカップを包んだ。
「…でも、なんだか不思議ですね。僕とあなたとは、おんなじ冬の字が名前に入っていて、初めてのお客様だった上に、またこうして偶然にも出会うなんて…」
「そう…ちょっと不思議な気も……」
応えると、
「……何か、縁があるのかもしれないですね」
ふと彼が呟いて、
「あ…すいません。僕の勝手な思い込みですよね」
軽く笑ってごまかすのに、
「ううん…でも、本当に縁があるみたいにも……」
自分でも、いつになく積極的に返して、
「……冬美さんにも、そう思ってもらえて、嬉しいです……」
2人して、窓の外を眺めて、黙り込んだーー。