Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

「教えてくださって、ありがとう。それでは、またご連絡をさせていただきますね」

コーヒーカップを持ち上げて、

「あなたと会えたおかげで、今日は、おいしいコーヒーが飲めました」

秋冬さんが一口を含む。

「いえ、私の方こそ、会えてよかったです」

あったかいラテに息を吹きかけて、両手でカップを包んだ。

「…でも、なんだか不思議ですね。僕とあなたとは、おんなじ冬の字が名前に入っていて、初めてのお客様だった上に、またこうして偶然にも出会うなんて…」

「そう…ちょっと不思議な気も……」

応えると、

「……何か、縁があるのかもしれないですね」

ふと彼が呟いて、

「あ…すいません。僕の勝手な思い込みですよね」

軽く笑ってごまかすのに、

「ううん…でも、本当に縁があるみたいにも……」

自分でも、いつになく積極的に返して、

「……冬美さんにも、そう思ってもらえて、嬉しいです……」

2人して、窓の外を眺めて、黙り込んだーー。




< 27 / 93 >

この作品をシェア

pagetop