Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
窓の外から、カフェの店内へ視線を戻して、
「……冬美さんの手は、綺麗ですね……」
かつてのバーでの時のように、再び口にする。
カウンターテーブルに出していた手を、膝の上に置き直して、
「ううん、綺麗だなんて…そんなこと。ネイルも、なんにもしてないのに…」
隠すように、重ね合わせる。
「……なんにもしてないのが、いいんです。真っ白で細くて、とても綺麗で……」
重ねた手に、瞳を向けられて、恥ずかしくてしょうがなくなる。
「……お店で、初めて手を取った時に、思わず見とれてしまって……」
喋って、
「あ…こんな話……困りますよね」
と、目をそらして、コーヒーを飲むのに、
「……ありがとう。嬉しい…」
小さく答えると、
「……今日は、冬美さんと会えて、本当に良かった……」
と、秋冬さんは柔らかく微笑った……。