Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
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「ねぇ、冬美。あれから、あのお店に行ってみたの?」
会社のランチタイムに、薫に話しかけられて、
「ううん…行ってないけど…」
答えて、
「でも、秋冬さんには偶然会って……」
箸でつかんだ唐揚げを、口に入れた。
「また、そうやって箸をくわえて…って、えっ?! 秋冬さんに会ったの?」
「うん、こないだのお休みの日に」
と、定食のお味噌汁を飲む。
「嘘? それで、ビルで会った時には、どうして別人みたいだったか聞いてみたの?」
「聞いてない、それは…」
「どうしてよ?」
「うん…なんか、本当の秋冬さんと出会えて、それで良かったって思っちゃって……。やっぱり、前に会った人は彼じゃなかったんだって……」
言うと、
「ちゃんと聞いてみないと、なんだかもやもやするじゃない。それが、逆に誰だったのかさ…」
彼女は喋って、
「そうだ! 今日の夜、またあそこに行ってみようよ? 給料日も過ぎたことだし、資金もあるし」
と、もう決まってるかのような口ぶりで話した。