Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

-3-


ーーお店で、あんなことがあったその翌日の夜になって、

登録していない番号から、電話が入った。

見知らぬ相手からの着信に、しばらく出ようかどうかをためらって、

鳴り続けるコール音に、「…もしもし」と、出てみた。

「…あ、冬美さん…ですか?」

通話口から聞こえてきたその声に、

「……秋冬さん?」

と、聞き返す。

「そうです。いきなり連絡をして、すいません」

「…いえ、急にどうされたんですか?」

「ええ…実は、私の兄が、あなた方に失礼な対応をしたと、聞いたものですから……」

すまなそうに言う彼の声に、

「いいえ、もう大丈夫ですから…」

と、返す。

「…でも、相当酷いことを言ったみたいで……どうしても、僕の方から謝っておきたくて」

「…秋冬さんが、謝らなくても」

言いながら、本当に2人は兄弟なんだと思う。双子なのに、全く中身は違うみたいで……なんだかそれは、すぐには受け入れがたい事実のようにも感じられた。



< 34 / 93 >

この作品をシェア

pagetop