Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
「……でも、そんなのいいですから」
「……食事を奢るくらいは、させてください。そうじゃないと、なんだか僕の気持ちがおさまらなくて……」
言う彼に、
「……わかりました」
と、応えて、
「…だけど、本当にそんなに気をつかわないでくださいね」
と、返した。
「……良かった、誘いを受けてくれて……。では、都合のいい日を教えてもらえますか?」
「えっと…週末の金曜日に、仕事が終わった後なら……」
そう伝えてから、
「…あ…でも、」と、ふと思い出して、
「秋冬さんの方は……その日は、お店に出る日とかじゃないですか?」
尋ねると、
「僕は、その日はお休みなので、かまわないですから。では、7時くらいにお店のある駅前で待ち合わせで、いいですか?」
言われて、
「はい、それで大丈夫です……」
応えて電話を切ると、彼と会う約束をしたことが、急に現実味を帯びて、なんだか緊張が押し寄せてもくるようだったーー。