Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
秋冬さんと食事の約束をしたものの、その日が迫ってもくると、緊張感がよけいにつのってくるみたいで、
「……ねぇ、薫ちゃん……」
と、相談を持ちかけた。
「うん? どうしたの? 冬美、何かあった?」
聞いてくれるのに、
「…あのね、今度の金曜日…秋冬さんと食事に行くことになったんだけど……」
と、打ち明けた。
「えっ、ホントに? すごいじゃない、冬美!」
単純に喜んでくれる薫に、
「うん、なんかこないだの埋め合わせがしたいって、誘われたんだけど……」
と、話す。
「こないだ……? って、ああ…あの時の? でもそれって、秋冬さんが悪いわけじゃないのに」
「うん…それも言ったんだけど、お兄さんの代わりに、どうしても埋め合わせをさせてほしいって」
「……そっか。なんか、いい人だねー秋冬さんって」
薫がしみじみと言って、
「あのお兄さんとは、大違いっていうか。まるで、天使と悪魔みたいな感じで」
そう続ける。
「本当に、それくらい違いすぎて……双子じゃないみたいだよね」
言うと、
「だけど、そんな秋冬さんなら、食事に行っても、きっと楽しませてくれるはずだから、冬美も緊張しないで、楽しんで来なって」
と、笑いかけられて、
「うん…ありがとう、薫ちゃん」
ちょっと勇気が湧いてくる。
「がんばんなって。これで、恋愛に発展することも、あるかもしれないんだから」
励まされて、背中を叩かれる。
「……恋愛に発展するかどうかはわからないけど、でもがんばるね…」
薫と話したことで、緊張がだいぶほぐれてきたのを感じるみたいだった……。