Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

ーー約束をした当日

「……待ちましたか?」

待ち合わせ場所に、秋冬さんが走ってきた。

「いえ、待ってなんか…」

「少し遅れてしまって……」

「まだ、そんなに時間は過ぎてないですから…」

と、腕の時計に目を落とす。

「…着替えに、つい手間取って…」

「…着替えに?」

と、彼の服装を見やる。

「ええ…あなたと会うのに、どんな感じで行ったらいいかのを迷って…」

そんな風に言われて、なんだか照れてしまいそうにもなる。

「僕の服は、おかしくないですか?」

赤らむ顔をうつむけて、「全然…」と、首を振る。

カジュアルなシャツに、ジャケットを合わせて、コートを軽く羽織ったその格好は、人目を引くかっこよさだった。

「それなら、迷った甲斐がありました」

と、秋冬さんが笑う。



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