Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

「じゃあ、行きましょうか? お店は、予約してあるので、ご案内しますね」

先に歩き出して行く彼の後を付いていくけれど、人混みの中で見失いそうにもなって、早足で歩き出す。

足を早めながら、彼の姿を探していると、不意にトン…と背中にぶつかった。

「あ…ごめんなさい」

振り返った彼の顔を見上げて、謝るのに、

「僕の方こそ、早く行き過ぎましたよね?」

言って、

「……人が多いから、どうぞ…」

と、手が差し出された。

その手をおずおずと握る。

外の冷たさの中で、繋いだ手からじんわりと温かさが伝わってくるみたいだった……。



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