Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
ーーやがてビルに着いて、その混み具合いに帰りたくもなって、
「人、多いね…」
呟くと、
「そりゃ、そうでしょ。一流企業もたくさん入ってるし。なんかここって、会員制のラウンジとか高級レストランとかもあって、超VIPなエリートが集まるらしいんだよね」
薫がニコニコと笑いながら答える。
「……もしかして、そこに行くの?」
「そこには、行かないって。今日行くのは、バーの方。
そこだって、イケてるバーテンだけじゃなく、エリートビジネスマンとかも来てるかもしれないでしょ?」
バーに上がるエレベーターに乗り込んで、
「いい出会いも、あるかもよ?」
言う薫に、
「うん、そうだね…」
と、あんまり気乗りはしないままで返した。