Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
無言のまま、手を引かれて雑踏の中を歩いた。
冷えていた手が、彼の手の中で次第にあったまっていく。
まるで、秋冬さんそのままのようなやさしい温もりに、惹かれていってしまいそうにもなる。
彼のことを、もっと好きになりそうにもなって、どうしようとも思っていたところへ、
「ここのお店です」
と、立ち止まって、手が離されたーー。
……顔を上げると、そこは、あのB.C. square TOKYOのビルの前だった。
「……ここって」
「…ええ、実は、この中のお店以外は僕はよく知らなくて。今日は53Fのレストランを取ってあるので」
「え…それってもしかして、高級なレストランなんじゃ……」
驚いて言うのに、
「大丈夫ですから」
と、彼が頬笑む。