Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
ーー訪れたバーで、付いてくれたのは、仁(じん)という黒髪の男性で、
メガネの似合うその端正な容姿に、以前にお店の前で応対をしてくれた彼だと思い出す。
「……今日は、何を飲まれますか?」
カウンター越しに聞かれて、また決めかねてもいると、
「僕はダイキリにするので、冬美さんはフローズンダイキリを飲んでみませんか?」
と、秋冬さんが提案してくれて、
「フローズンのダイキリは、割と飲みやすいですから。それに、お店の中は暖かいので、フローズンでもおいしく飲めるんじゃないかと」
笑いかけた。
「うん…」と、頷くと、
「かしこまりました。ダイキリとフローズンダイキリですね」
お酒をシェイカーに入れながら、
「……秋冬さんに、私のカクテルをお出しできるなんて光栄です」
と、喋るのに、
「僕は、そんなにたいしたことはないから」
と、秋冬さんが謙遜をする。
「いえ…あなたは、私たちの憧れなので。カクテルのレシピにとても詳しい上に、お客様の人気も高くて……同じ男として、憧れます」
シェイカーを振り終えて、グラスに注いで差し出す。