Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
「……キスも、まだしてないんだ……」
と、薫がため息を吐く。
「え…だって、秋冬さんとは付き合ってないし……」
言うと、
「ちょっと待って。付き合ってないの? まだ?!」
と、驚いたように訊かれた。
その声の大きさに、ランチの後の休憩に入ったカフェのお客さん達が一斉に振り向いて、
「……うん」
と、思わず声が小さくなる。
「…嘘でしょ? もうあれから一ヶ月近くたつのに、お付き合いに発展してないの?」
周りの人の目も気にならない様子で、さらにつっ込んでもくるのに、
「……だって、まだ連絡もお店の番号でしかやり取りしてないし……別に付き合うかどうかまでは考えてもいなくて……」
話して、
「薫ちゃん、声大きいから…」
と、付け足した。
「……付き合ってなかったなんて、信じられないんだけど。…えっ、じゃあ秋冬さんの方からも、なんにも言ってきてないの?」
「…うん、付き合うとかいう話は、特に何も…」
答えると、
「何よ、それ?」
言われて、
「おかしいでしょ?」
と、呆れたような顔をされた。