Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

「今夜は、お店を早めに上がるので、終わった後に、もう少し付き合ってくれませんか？」

言われて、カクテルを飲みながら、「うん…」と、頷く。

きっと彼は、私が落ち込んでるんだと思って、気づかってくれているのに違いなかった……。

彼のそんなやさしさが、いつになく胸に響いて、ますますドキドキとしてくる。

……ちゃんと言った方がいいのかな。

だけど、秋冬さんの方からも何も言ってこないってことは、彼もこのままでいいって感じてるんじゃないんだろうか……。

いろんな考えが、頭の中に浮かんでは消えて、結論を出せずじまいにもなる。

カクテルグラスから、少しだけ目を上げて見つめると、

相変わらずの穏やかな笑顔で、秋冬さんに見つめ返されて、顔が赤くなるのが隠せない。

……やっぱり、彼のことが好きと思うけれど、彼は、私のことをどう思ってるのかな……と、

考え出すとわからなくもなって、答えの出ない堂々巡りに、カクテルを飲み干したーー。