Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

「おまえがいつまでもグズグズしているなら、こんな女は、僕が落としてやるっ……!」

言ったかと思うと、不意に腕をつかまれた。

「…離してっ…」

腕をつかんで引っ張るのに、

「……秋冬さんっ」

彼を見やると、唇を噛んで両手を拳に握り締めていた。

「……秋冬さん!」

連れて行かれそうにもなって、振り返って叫ぶ。

「あっ…!」

声に弾かれるように、彼が顔を上げる。

「…来いよっ! 早く!」

ぐいっと手が引かれて、エレベーターの中に引き込まれた。

「……嫌っ、秋冬さ……」

言いかけるのに、秋冬さんが走り出すのと、

エレベーターの扉が閉まるのは、同時だったーー。




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