Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

ーービルの屋上にあるヘリポートに連れて来られて、

「……そのヘリも、僕のプライベート機だ」

と、指し示す。

「……あいつには、こんな物は持てない。鷺宮の次期総帥である僕だから、持てるんだ」

傲慢な口調に、

「……そんな物なんか、持ってなくたって……」

言いかけるのに、

「……そんな物だと?」

と、語気を強める。

「……これ程の特権を、そんな物だと言うのか……それでもあいつの……秋冬の方がいいとでも!」

感情的に声を荒げるのに、

「……特権なんて、どうでもいい。私は、なんにも持っていなくたって、秋冬さんの方がいいもの……」

彼にそっくりな顔を見つめて話すと、

「……そんなにも、あいつがいいのか…」

ふと、翳りのある表情を見せて、

「……人を惹きつけるのは、やはりあいつばかりか……」

と、呟いた。



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