Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

しばらく黙って、目を合わせた後で、

「……なぜ、僕になびかないんだ……」

自分になびかないことが、信じられないかのように、呆然と口にするのに、

「……あなたは、何もわかってない……」

ひと息を吐いて言うと、

「……何が、わかっていない? あいつなんかより、僕の方が優れてもいるのに……なぜだ?」

そう聞き返されて、

「……あなたなんか、秋冬さんとは全然違う……」

口にすると、

「……なんだと?!」

怒りを露わにして、

いきなり、ブラウスの襟をつかみ上げられたーー。


ーーそこへ、

「……兄さん! 何して…!」

と、秋冬さんが息を切らせて駆け込んできた。

「……この女が、生意気な口を聞くからだ!」

声を荒げて、

「おまえになど、僕が劣るはずもないのに!」

吠えるかのように、さらに大声を上げた。



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