Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
「……兄さん、もうやめてください。……彼女は、関係ないはずです」
階段を駆け上がって来たらしい彼が、苦しげに息をつきながら喋る。
「……うるさい。僕が、おまえに及ばないわけなど……」
「兄さん……」
悲しげにくり返す彼を、
「うるさいと言っている!」
怒鳴って、
「……なぜだ! なぜいつもおまえばかりが好かれて! この女も、僕とは全く違うなどと……!」
再び襟首に手を伸ばそうとして、
「……おまえには、こうした方が堪えるか…」
不意をついて、突然に顎をつかまれた。
「…兄さん、何をっ…!」
叫んで、走り寄ろうとするのを、
「……僕に、寄るな…!」
と、制して、
「……おまえは、いつも僕に見下されていればいいんだ……なのに、いつもいつの間にか、おまえだけが周りを惹きつけるっ……!」
口づけようと、さらに強い力でつかんで、顔を引き寄せようとしてきた。