Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
「……。……春夏、そんな風に思って……」
彼が、息をふぅ…っと吐き出した。
「……僕は、おまえが嫌いだ……。……おまえと双子なおかげで、どれだけ僕が厭われてきたか……」
「……そんなのは、僕も同じです。……僕も双子なのに、あなたひとりが力をつけていくのを、ずっと苦い思いで見てきたんです……」
ヘリポートを、強い風が吹き渡って行く。
「……僕には、権力が必要だったんだ。……おまえが難なく集める人望を、僕が集めるためには……」
「……春夏」
彼が近づいて、その身体をそっと抱き寄せる。
「…何…する…」
抗おうとするのを、強く抱いて、
「……春夏。僕は、春夏のことが、ずっと好きだから……」
身体を抱えるように、両腕を固くまわして、
「……春夏……」
頬をつたったその涙を、指で拭うと、
「僕は……まだ小さかった頃に、"ハル"、"アキ"って呼んでた昔に、戻りたいんです……」
そう、肩越しに囁きかけた……。