Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜

先に薫のカクテルを出して、

「……お好みの味などは、何かありますか?」

尋ねられて、すぐには答えることができずにいると、

「……どうかされましたか? ご気分でも、優れないのでしょうか?」

ついいつまでも決めかねているのに、そう声をかけられて、

「あ、いえ…」

と、顔を上げる。

「この子、失恋したばっかりで、ちょっと元気なくて」

そこへ、あからさまにも言う薫に、

「なっ…何言ってるの…」

と、赤面する。

「そうだったんですか。では今宵は、私があなたに恋をするように、お付き合いをさせていただきますね」

吐かれたその台詞に、さらに顔が赤くなる。

「うわぁ…恋をするようにだって。ねぇちょっと、かっこ良すぎなんだけど」

と、私の肩をバシバシと叩く薫に、

「痛いって、薫ちゃん…」

と、その手を軽く払った。



< 7 / 93 >

この作品をシェア

pagetop