Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
先に薫のカクテルを出して、
「……お好みの味などは、何かありますか?」
尋ねられて、すぐには答えることができずにいると、
「……どうかされましたか? ご気分でも、優れないのでしょうか?」
ついいつまでも決めかねているのに、そう声をかけられて、
「あ、いえ…」
と、顔を上げる。
「この子、失恋したばっかりで、ちょっと元気なくて」
そこへ、あからさまにも言う薫に、
「なっ…何言ってるの…」
と、赤面する。
「そうだったんですか。では今宵は、私があなたに恋をするように、お付き合いをさせていただきますね」
吐かれたその台詞に、さらに顔が赤くなる。
「うわぁ…恋をするようにだって。ねぇちょっと、かっこ良すぎなんだけど」
と、私の肩をバシバシと叩く薫に、
「痛いって、薫ちゃん…」
と、その手を軽く払った。