Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
「ところで、これからどこに行くのか、おまえたちは決まってるのか?」
訊かれて、「特に、決まっては……」と、秋冬さんが答える。
「そうか、決まってないのなら、これからヘリでクルージングに行くんだが、おまえたちもいっしょに行かないか?」
「……ヘリ…ですか…」
「ああ、おまえは高所恐怖症でもないだろう?」
「違いますが……」
「……だったら、決まりだな!」
と、付いて来いと言わんばかりに、春夏さんが歩き出して行く。
「……冬美さん、ヘリコプターは大丈夫ですか?」
心配そうに尋ねられて、
「うん……私も、高い所は大丈夫だから…」
言うと、
「そうですか…よかった…」
と、息を吐いて、
「兄は、ちょっと強引なところがあるから、気を悪くしてるんじゃないかと思って…」
「ううん」と、首を振って、
「そんなことないから……。…ちょっとだけ強引だけど、でもいいお兄さんだなって…」
言うと、
「…ありがとう」
と、彼は微笑んだ。