Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
ーーヘリコプターがプロペラを回して、夜空へと飛び立つ。
上空に向かうと、白く浮かび上がる都心の高層ビル群に、街のネオンが赤や黄色に瞬いて、美しく眼下に広がっていた。
「すごーい! 素敵!」
助手席の彼女が、感嘆の声を発する。
「…ねぇ、春夏! クリスマスのナイトフライトなんて最高!」
言って、抱きついたせいで、一瞬ヘリコプターがグラリとバランスを崩す。
「おい、抱きつくな! 危ないだろ!」
「あ…ゴメーン」
謝って、後ろを振り向いて、
「…そっちも許してね? ちょっと揺れちゃって」
声をかけられて、首を横に振る。
「あ…東京タワーが……」
秋冬さんが指を差して、その先を見下ろした。
「……東京タワー、子どもの頃にいっしょに上ったよな?」
春夏さんの言葉に、「ああ…」と、秋冬さんが頷く。