Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
外伝「もう少しだけ、奪われ愛」(秋冬&春夏メイン)

前篇


僕たちは小さかった頃、いつも「ハル」「アキ」と呼び合って、遊んでいた……。


「…ねぇ、ハル。どこに行くの?」

「探検だよ。あの開かずの扉を探検するんだ!」

「…開かずの扉? いやだよ…そんなの。ねぇ、やめようよ…ハル」

「大丈夫だ、アキ。僕の後ろにくっついてろよ」

言う兄の背中にぴったりと付いて、恐る恐る歩いて行く。

広い屋敷の中には、あまり開けられることのない開かずの扉があって、そこには何があるのかわからなかった。

先を行く懐中電灯を持った春夏が、鍵穴を照らしながら針金で扉を開ける。

「…勝手に開けていいの?」

「…大丈夫だ。心配すんな、アキ」

僕の手を引いて、軋む音を立てる扉の奥へ入って行くーー。


< 77 / 93 >

この作品をシェア

pagetop