Secret twin LOVERS〜秘密の御曹司に、奪われ愛〜
ーー中は、納戸のようで、使われなくなった物や、代々受け継がれてきたらしい物などが、雑多に置かれていた。
「……すごい、いろんな物があるな…」
懐中電灯を頼りに、兄はどんどん中へと進んで行く。
「…待ってよ、お兄ちゃん。恐いってば…」
春夏の服の裾をつかんで、引っ張る。
「こら、引っ張んなよ、アキ。僕がいるから、恐くないだろ?」
振り返って、頭を撫でて、
「おまえは、ちょっとそこで待ってろ。僕は奥まで見てくるから」
「待って、置いてかないでよ…」
「……大丈夫だ。すぐ戻るから」
兄が行ってしまって、急に襲ってくる暗闇に涙目にもなる。
そこに、「ちょっと、こっち来てみろ、アキ」呼ばれて、
照らされる明かりに、物があちこちに積み上げられた部屋の中を、這うようにして兄の元に寄った……。